CD版Linuxのファイル構成

Linuxを1つのディスクに複数入れるときのポイントを説明しています

マルチブートの設定について、ブートソフトを1つのイメージファイルとして BootSoft フォルダに入れるだけなら話は簡単なのですが、そうでないケースがあります。

Puppy Linux では、そのISOファイルの中にあったすべてのファイルを Multima フォルダの中に入れました。

さらにもうひとつ別のLinuxを Multima に入れる場合はどうしたらいいのでしょうか?

今回はその場合について説明します。

PING (Partition Image Not Ghost)

このソフトウェアはPCのディスクをZIP形式のイメージファイルとして保存し、
そしてこのファイルでディスクを復元するソフトウェアです。

OSが壊れた、ハードディスクが壊れた、というケースでこれを使えば簡単に復旧ができるというすぐれものです。

Linuxで作られており、入っているファイルとその構造はPuppy Linux とよく似ています。
マルチブートにするために

Puppy Linux のISOファイルの中身を Puppyというフォルダの中に入れ、
PING のISOファイルの中身を PINGというフォルダの中に入れる、
そして bcdw.ini を編集する、

こうすればいいように思いますが、残念ながらこれではマルチブートにはなりません。

そこでまず
Puppy Linux3.01のISOファイルの内部構造と、
PINGのISOファイルの内部構造を比較してみます。

念のため、
http://openlab.jp/puppylinux/download/
から puppy-301-JP.iso はダウンロードできます。

***” 1CD Linux の追加”のページで説明している Puppy-4.1.2-retro-JP.iso でもかまいません。***

PINGは次のページからダウンロードできます。
http://ping.windowsdream.com/ping/old/

マニュアルは英語ですが、
ここをクリックするとPDF版をみることができます。

3.00.02 のバージョンをダウンロードしてみましょう。
3.00.02 をクリックし、PING-3.00.iso をクリックします。
PING-3.00.iso がダウンロードできたかと思います。


Super ウルトラ ISO体験版でISOファイル内をみます。
2つのファイル構造を並べたのが下の図です。

Puppy3.01とPING3.00のファイル比較

同じ名前のファイルがいくつかあるのがわかります。
各ファイルについて説明すると、

  • boot.catboot.catalog
    ISOファイルのセクタの情報が入っています。
    これがあるとCDRecord フロントエンドが正しくISOファイルを作れません。
    このファイルは削除しておきます。
  • boot.msglogo.16
    起動画面に出されるメッセージと画像です。
  • initrd.gz
    詳しくは次のページに説明してあります。
    Linux 初期 RAM ディスク (initrd) の概要
    Linux が起動するまでの準備に使われるファイルで gz 形式で圧縮されています。
  • isolinux.bin
    Linux がブートに必要なファイル”ブートローダー”です。
    このファイルを bcdw.ini で指定します。
  • isolinx.cfg
    isolinux.bin の起動時の設定です。
    状況に応じて編集する必要があります。
  • pup_301.sfszdrv_301.sfs
    Puppy 3.01専用のファイルです。
    ディスクの中に直接置かないと実は動きません。
    ここでは Multima フォルダの中に直接入れておく必要があります。
    ( Multima > pup_301.sfs , zdrv_301.sfs )
    ***Puppy-4.1.2-retro-JP.iso の場合には
    ( Multima > pup_412retroJP.sfs )***
  • vmlinuzkernel
    カーネルイメージといわれるファイルです。

次回へ続きます。